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【月刊総務オンライン】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方|第24回:企業変革の現場よりー(1)プロローグ:今変わりつつある組織風土改革

 
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コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第24回:企業変革の現場よりー(1)プロローグ:今変わりつつある組織風土改革

2018年10月16日

 約1年半ぶりの再開となりますが、あらためてよろしくお願いいたします。数回にわたりテーマを設け示します。最初のテーマは「企業変革の現場より」です。

 このコラムも第1回は2012年2月で、かれこれ6年半前となります。その頃に当社がお手伝いをした企業変革の課題と、ここ1、2年の課題は少々事情が変わってきています。その一方で、昔も今も何ら変わらないという課題も少なくありません。

 今回よりみなさんにお伝えしていく内容は、実際に企業で起こったこと・起こっていることをメインとしていきます。さまざまな課題を抱えた企業に対して、我々がどのようなアプローチで、どのような支援を行い、具体的に組織にはどのような変化が生じてきたか? 企業や働く社員の意識と行動変革の現れ方、そして業績へどのような効果が現れてきたのかを、それぞれのポジション(経営者、管理職、推進のための事務局、現場の社員等)の観点から、次回から皆さんにお伝えしていきます。今日のところはまずは"プロローグ(序章)"です。

■"プロローグ":組織風土は氷山の水面下

 

 まずは今一度、組織風土についてです。図1に「組織風土の氷山モデル」を示します。

 

図1 組織風土の氷山モデル

第24回_図1.png

 水面下の目に見えない"ソフト部分""ハード部分(方針・しくみ・戦略等)"の実行に影響を与えていることを模式的に示したものです。わかりやすくいえば、「理屈はわかるけど気持ち的には納得できない」ということがあるでしょう。これの逆がこの氷山モデルを簡易に説明したものだと思っていただければ十分です。つまり、水面下の"ソフト部分"のような状態が慢性的に起きている状況下で、"ハード部分"の施策を行ったところで、真剣な気持ちで取り組めない、あるいは新しいシステムや制度等を受け入れ難い(納得しない)ということになりがちです。

 組織風土はこの"ソフト部分"に相当します。

 同図中、"ソフト部分"はさらに3階層に分けて示しています。もっとも深い"組織のOS層"から浅い"現象層"までを端的に説明するならば、図中の赤文字だけを着目していただければ十分です。「お互いにけん制し合う関係や無関心であると......」⇒「どうせいってもムダ、言い出しっぺが損をする、出る杭は打たれる......ような状態になり......」⇒「部門間の壁(セクショナリズム)や指示待ち、情報が流れにくいような現象を引き起こす」ということです。これらの根っこは、「人と人の関係性」であり、これら一連のソフト部分が図のような関係と現象を招いている上に成り立つ「経営方針、しくみ、戦略......」などの"ハード部分"は「仏作って魂入れず」のようになることは容易に導き出すことができるでしょう。

 過去の記事(第13回第14回第15回)においても、何度か"ハード"と"ソフト"は登場しているので参照してみてください。

■昨今の組織風土改革に取り組む企業の特徴と要因

 

 従来、組織風土が問題として取り上げられる、ニュースや新聞の紙面をにぎわす場面は主に企業の不祥事が発覚した場合(第20回参照)でした。最近であれば自動車業界の度重なる不正なども同様です。

 また、業績悪化に伴う早期希望退職の実施、関連会社への出向や転籍等、これらの経営施策により引き起こされる社員のモチベーションダウン、経営への不信感、職場におけるギスギス感等が組織風土の問題として認識されていました。先の図1に当てはめると、既に前述したように"ソフト部分"としては「社内で余計なことはいわなくなる=情報が流れにくくなる」等の弊害が出てきて、"ハード部分"の経営施策や改革にブレーキをかけたり、新製品がトラブル続き、現場の生産性は上がらない等で、組織風土だけでなく業績そのものにもマイナスの影響が出ることを何とかしたいという活動の取り組みとして組織風土改革に着手するという企業が多く見られたものです。

 ところが昨今は、業績はさほど悪くない、むしろずっと上がり続けている企業が組織風土改革に取り組むことが増えてきました。こうなってしまうと、本コラムのタイトル――『業績に効果が出る新しい組織風土改革』というが成り立たなくなってしまうのですが、実際、当社が直近の数年でご支援している企業は、どこも業績は好調です。

 その1つの要因としては、「働き方改革」が叫ばれる中、(続きはこちらより)