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【gihyo.jp連載】無関心な現場で始める業務改善(シーズン2)「第4回 見えた光明」

gihyo.jp

無関心な現場で始める業務改善【シーズン2】

 

第4回 見えた光明

2012年11月5日

世古雅人

これまでのあらすじ

 

「GHテクノロジーズリバイバルプラン」と銘打った経営施策は,800名いた社員のうち,300名が早期退職で会社を去 るという事態を皮切りに,もっと経営改革が進むものと佐藤さんは考えていました。ところが,海外のEMS工場における品質不良の問題は名ばかりの対策会議 で今もまだ棚上げ状態,不良在庫は増えるばかりです。社内のあちこちで経営批判をする社員が後を絶ちません。経営だけの責任ではなく,自分たちにも責任の 一端はあったはずだと考えている佐藤さんは,会社を立て直すと決めたものの,手探り状態です。

 

佐藤さんはじっとしてはおられずに,各部門の部長に声をかけますが,期待できない返事ばかりで,協力関係を得ることがで きません。直属の上司である杉本課長も事なかれ主義者で当てにならない1人です。実態として,早期退職以外に何ら経営改革が進んでいるように思えないう え,現場からは危機感が感じられず,佐藤さんも苛立ちを感じています。

 

先日,大学の先輩であるマーケティング部の坂本課長と話をして,社長が明確に改革の方針やビジョンを語っていないことが 問題だということに気づきます。開発部の一主任の立場では部長を動かすことはできないと悟った佐藤さんは,きちんと改革を進めるべく,直接,社長に話をす ることを決意します。

 

社長への直訴

 

GHテクノロジーズの中田社長は,佐藤さんが入社したときは開発部の部長だったこともあり(第1回),知らない仲ではありません。そうは言っても本来,社長と話をするためには,総務部の秘書課などを通じてアポを入れておくのが筋です。また,開発部の上司である課長の杉本,部長の村瀬の頭を飛び越えた話も立場上,まずいことには,頭が回りませんでした。

 

普段はなかなか出向くことのないビルの最上階に向かいます。“社長室”と書いてあるドアの前に立ち,一呼吸おいて佐藤さんはノックをします。聞き慣れた「はい,どうぞ」という中田社長の声を聞き,少し緊張しながら社長室に入りました。

 

  • 佐藤さん:「開発部の佐藤です。突然すいません,少しお時間をいただけますか?」

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