【ITMedia】いまどきエンジニアの育て方(第20回)『育てる環境は「意識して」作る』本日公開
いまどきエンジニアの育て方(20)
育てる環境は、「意識して」作る
「終身雇用」や「年功序列」に代表される、日本企業独特の “体質”は、実は、若手を育てる環境が自然に形成される源でもありました。「上が下を教える」という体制が、当然のように出来上がっていたからです。エン ジニアを取り巻く環境が著しく変化した今、若手を育てる環境は、上司やベテラン世代が先頭に立ち、「意識的に」作るしかありません。
「キャリアデザインを考える3つの質問」を紹介した第19回では、「『(将来)やりたいことは何ですか?』という質問には、すぐに答えられないエ ンジニアが多い」という話をしました。すぐに答えが返ってくる人の回答は、大きく2つに分かれます。「自分が開発した製品をベストセラーにしたい!」のよ うに“製品そのもの”に対する目標と、「大規模製品開発のプロジェクトマネジャーになりたい!」という“ポジション”に対する目標です。そもそも、質問が 漠然としていてよくない上に、時間軸の捉え方も人それぞれなので、短期的に「VHDLやVerilog-HDLを学び、FPGA設計のプロフェッショナル になりたい」という人もいます。
ですが、どんな答えであろうと、若手から「こうなりたい!」という声を聞くことは上司からすれば嬉しいものです。上司が部下のキャリアを考えるときに、“参考データ”として頭に入れておくとよいでしょう。
さて、「自分のやりたいことが即答できない」ということに関しては、15年前のエンジニアも今のエンジニアも大差ありません。ですが、エンジニアを取り巻く環境はこの十数年で大きく様変わりしました。
「やりたいこと」を言わない
いま一度、ゆとり世代の特徴をおさらいしてみましょう。
表1をご覧ください。この内容はあくまでも一般論で、エンジニアに限定したものではありません。
本コラムの主人公、入社2年目のエンジニアである佐々木さんは、表1の「答えをすぐに求めたがる」「チャレンジしたがらない」タイプに当たり、特に後者の特徴が顕著に表れていました(第2回、第5回、第6回、第7回参照)。その理由は、表1に示すように、「楽して成果を上げたいと思っている」こともありますが、「失敗を極度に恐れる」ことに集約されると考えます。
「何をしたいか分からない」のではなく、「やりたいことがあるのだけれども、失敗したくないから、分からないと答えてしまう=やりたいことを言わない」。これが、今の若手エンジニアの本質的な課題ではないかと筆者は推測しています。
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